ダイワ ダイワ2018年新製品 リール

ダイワ 18イグジストを実際に見て、触って、説明を聞いてきた詳細レポート

投稿日:2018年1月27日 更新日:

こんばんは、ダイワ星人です。

先週のフィッシングショー2018で18イグジストをさんざんいじり、ダイワの方にも話を聞いてきたので、遅まきながらレポートします。ちなみにHPをプリントしただけのイグジストオンリーカタログ(500円)もお布施と思い購入しました。

書いていると、もっと見ておけば、聞いておけばよかったという後悔も多いのですが、買ったらまた書くので勘弁してください。

Contents

全体

まずは製品状態の展示品を見ていきます。今回はイグジスト専用のブースが用意されているほどの力の入れようでした。

外観

ミッチェル304みたいでかっこいいです。機能美をめちゃくちゃ感じますし、ライトアンドタフ感が伝わります。

このダサい感想から、興奮が伝われば幸いです。

ダイワが最初にリリースした1型DUX57を強く意識したデザインなんですね。まさに60周年にふさわしいデザインだし、エピソード込みでかっこよすぎ。

 

重量

もちろんめちゃくちゃ軽いです。小型番手では、2500番はTD-Zで、1000番は05イグジストですでにほぼ達成している重量にすぎませんので、スペック上正直そこまでの驚きはありませんが、大型の番手では驚きの軽量化を果たしています。小型番手では驚くほど軽くなっていないとは書きましたが、後述のとおりギアがかなり大きく(=重く)なっているにも関わらず同重量~軽くなっていますので、スペック上は同じ重量でも、軽量化の努力はしっかりとされています。

また表を作りますが、重量比較は以下のようになります。スペック上はこんなものです。ただ、不思議なことに持った感じは軽いです。17セオリー1003と比較して、明らかに軽いです。

1000番

18イグジスト FC LT 1000S-P:150g

17セオリー 1003:155g(実測で158.9g)

12イグジスト1003:155g

05イグジスト1003:160g

2500番

18イグジスト LT2500:180g

18イグジスト LT3000S-C:185g(LTコンセプトでないモデルの2500番相当)

17スティーズ Type-Ⅱ:178g

15イグジスト 2505F:190g

12イグジスト 2506:180g

06イグジストスティーズカスタム 2506:185g

05イグジスト2506:190g

TD-Z 2506C:185g

巻き心地

正直言って重量よりも巻き心地に驚きました。軽く動き出し、ピタっと止まります。そして、信じられないくらい滑らかに回転します。油脂でごまかしたヌルヌルの重い巻き心地ではありません。最近のダイワはこの手口が多くて辟易していましたが、ここにきて糸巻きとしてのリールの本来の性能追求に戻ってくれたようでうれしいです。まれに、「実際にラインを巻き取らないとわからない」と主張する方がいらっしゃいますが、わかることはわかるし、わからないことはわからない、というのが正確でしょう。今回は実際にラインも巻き取りましたけどね。

 

全体的な話はこんなものにして、各部の特徴を見ていきます。

モノコックボディ

なんと言っても今回の目玉はこれ、エアメタル(マグネシウム)製のモノコックボディでしょう。モノコックボディ自体は2016年に発売した16セルテートのHD3500,HD4000に搭載されましたので、18イグジストが初めてというわけではありませんが、1000~2500という小型番手であること、マグネシウム製であることが目玉です。

モノコックボディの説明はダイワの公式HPに詳しく書いてありますが

ボディを蓋と分割していないワンピース構造にしたことで

  • ボディの剛性が上がる

そしてボディの蓋を止めるねじのスペースが不要になったことで

  • 従来のボディサイズ(外形)に対して限界まで大きなギアを搭載できる
  • 逆に従来と同じサイズのギアならばボディサイズを小さく軽量にできる

大型番手では前者が、小型番手では後者がキモだと考えています。

 

普通には見ることができないボディの中を見ていきます。

ボディ左側

この空間いっぱいにメインギアが入ります。全く無駄がありません。

こちらの開口部から、ボディ右側のベアリング挿入部と、エンジンプレートのはめあい部(ねじ部ではなく、ねじの上部に組立精度を出すためのストレート部がある)をワンチャックで同時加工しているため、ギアシャフトを保持する左右のベアリングの同軸がしっかり出るようになっています。今までは、位置決めピンなどでいくら組立精度を上げようとしても、ボディ側と蓋側は絶対に同時加工できないので、どうしてもずれが生じていたはずです。

ボディ内部

わかりづらいかもしれませんが、リールフット付け根付近が大きく肉抜きされており、モノコックボディ内部の軽量化にも余念がありません。内側を主に考えていたためピンぼけですが、外側もしっかり肉抜きされています。

ボディ右側

こちらもまわり止めのはめ合い部が切削で仕上げられています。ボディ外部の肉抜きもよくわかります。

エンジンプレート

アルミ製のエンジンプレートです。マグネシウムでなくアルミなのは、切削の精度と、強度を保って薄く削るためでしょう。

ちなみに6000系アルミだそうです。7000系でない理由は、「見た目のため」とのこと。確かに見た目は素晴らしくきれいですが、見た目がくすんでいてもいいので限界の軽さを追求してほしいという気持ちもあります。

タフデジギヤ(タフデジギア)

メインギアには、超々ジュラルミン製のマシンカットタフデジギヤを搭載しています。冷間鍛造で全体の大まかな形状を作り、その後に精度出しのために切削加工をしています。歯面は研磨するだけのような、微妙な削り量とのこと。削り量を抑えることで鍛流線を残して強度は確保し、表面は削って精度と滑らかな歯面を実現しています。

左が15イグジスト、右が18イグジスト。どちらも2500番のギアで、15イグジストのギア直径は29㎜、18イグジストのギア直径は32㎜です。径が大きく、歯幅が広くなっているのが一目瞭然です。従来より「大きな力」を「効率よく伝える」ことがよくわかります。

LTコンセプト

これは18イグジスト独自のものではありませんが、LT(Light&Tough)コンセプトです。目に見える大きな変化はスプール及びローター規格の変更に伴う型番表記の変更ですが、タフデジギヤ、軽量スプール、軽量ハンドルの採用を全て包括してLTコンセプトです。

単純にスプールサイズが小さくなり、型番によってはローターサイズも小さくなったために軽くなっています。基本的に16セルテートのローターと同じものですが、2500番はスプールサイズが大きく変わったために新設計(コンセプトは同じ)のローターが採用されています。

1000,2000:16セルテート1000,2000ローター

2500:新型ローター

3000:16セルテート2500ローター

4000:16セルテート3000ローター

アルミ切削極薄軽量スプール

これは写真がないのですが、アルミを切削した薄肉のスプールです。肉抜きができないほど薄肉にし、限界まで軽量化しているそうです。僕は肉抜きによる軽量化をあまり信じておらず、「そんなことするなら薄くしろ」とずっと思っていただけにうれしい方向性です。

ちなみにこのスプールはエアスプールより軽いそうです。エアスプールは樹脂の表面にめっきをしているため、そのめっき層の重量がバカにならないのだそうです。確かにニッケルなんかはかなり重いですからね。さらに、めっきをしなくても、強度を考えるとアルミのほうが薄く軽くできるかもしれないとのことでした。

今まで僕はエアスプール教徒だったのですが、エアスプールより軽いという話を聞いて、アルミ派に宗旨替えしつつあります。このあたりはセオリーとルビアスのスプール重量を比較して確認したいと思います。

※イグジストはわかりませんが、17セオリー1003と07ルビアス1003のスプール重量は同じでしたので、ちょっと騙されたかもしれません。

軽量ハンドル

18イグジスト専用デザインで、セオリーから始まった細いデザインの軽量ハンドルよりさらに軽量(0.1gとかその程度らしいですが)な、超軽量ハンドルです。「細いハンドルは弱そうに見える」という声があること、フラッグシップであるイグジストにはやはり専用のハンドルがふさわしいこと、が専用ハンドルを用意した理由だそうです。それでもおそらく、「弱そう」というくだらない批判を受けることになると思いますが、次項の巻上げ比較体感コーナーの結果からしても、このハンドルが十分すぎる強度を確保していることがわかります。

FC(フィネスカスタム)モデルはさらなる軽量化のため、ねじ込み部がアルミ製になっています(通常モデルはステンレス)。ねじ部が金色のため、一見アルミでないように見えるのですが、FCモデルと通常モデルの区別のために、黄色(金色)のアルマイトをかけて、見てわかるようにしています。

巻上げ比較

15イグジストと18イグジストの巻上げ力の差を体感するコーナーがありました。実際にやってみましたが、明らかな差が体感できます。ついつい3回もやってしまいました。

15イグジストはガクガクして、場合によっては巻くことができなくなりましたが、18イグジストではそれがありませんでした。それだけ各部の剛性が上がっているのでしょう。

大きな魚を釣ったときはポンピングしますし(意識して大げさにすることはありませんが)、ロッドとドラグがあるためこんなに負荷をかけてゴリゴリ巻くことはありませんが、負荷の大きいルアーをただ巻きする際にもストレスなく巻けるだろうというイメージを強く持てました。とはいえ、現在使用している12イグジスト2506(バス、シーバスでまる6年使用)での巻物に特に不満はありません。

まとめ

イグジストの特徴を簡単にまとめます。

  • 高剛性かつ軽量なモノコックボディ
  • 大径ギア
  • 軽量ローター
  • 超軽量(小径)スプール
  • 超軽量ハンドル

ローター、スプール、ハンドルという大きな回転・直線運動部を軽量化することで軽い巻き心地を、高剛性ボディと大径ギアで力強い巻き取り力を実現した、糸を巻き取る機械としての効率を最大限に高めたリールです。

「すべてのリールが、過去になる」

この言葉をついに現実のものにした、歴史的な傑作が誕生したように思います。1999年にTD-Zがデビューしたときの衝撃に近いものを感じています。

何番が買い?

別記事にしようと思いましたが、ここに統一します。結論から言って、僕ダイワ星人はフィネスカスタムモデルのFC LT 2500S-Cを買います。

FC LT 2500S-Cはギアサイズ28㎜(上にも書いたとおり従来の2500は29㎜ギア)を採用した1000番の小型ボディに、従来よりは小型化されたものの2500番の大きなスプールがついている、まさにかつてのドデカコンパクトを踏襲、進化させたようなモデルだからです。

ちなみに、ダイワの方のおすすめはLT2500S-XHで、従来の2500ボディに、今までにない大型で強力かつ高速のギアを組み込み、新設計のローターとスプールを体験できるからというのが理由だそうです。これも、確かに、と思わせる理由だと思います。

ダイワ星人はギアサイズベースで大きく軽量化したモデルを選び、ダイワの方はボディサイズベースで耐久性を大きく向上させたモデルを選んだ結果です。どちらもモノコックボディとLTコンセプトの恩恵を大きく受ける、18イグジストらしいモデルだと思います。

おわりに

まずはFC LT 2500S-Cを買いますが、旧1000サイズのギアを搭載した500番をリクエストしてきましたので、もし出るとしても来年以降でしょうけど、出たらそれも買います。

現時点ではどこよりも詳しく18イグジストのことを書いているのではないかと思います。本稿を読んで、18イグジストを買おうと思ってもらえたらうれしいですね。いつか広告も貼ろう。

新たにプロモーションビデオが公開されたので貼っておきます。気合入ってるなぁ

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