いつごろ言われ始めた話なのかわかりませんけど、たまに聞くマルチピースロッドはワンピースロッドを切断して作るってやつほんとなんですかね?
高級な並継竿はピースごとにマンドレル(芯金)作るから高いけど、印籠継はワンピース切断だから安いっていう。
でもむしろ毎回ワンピースから切断するほうが工数増えてコストが上がる気しません?
仮に5ピースロッドを1000本作るとすると、4000回切断して、継ぐための芯材を4000回入れるわけですよ。(芯材を4000回入れるのは印籠継ならどうあれ必然ですけどね。だから印籠継は手間がかかって高いと言われるわけで)
マンドレルが多いからその費用がたくさんかかるって言っても、その工数と比べてどうなんですかね。
そして、専用のマンドレルが必要なせいで、硬さ違いや調子違いのマイナーチェンジが難しいって話を聞いたことがあるんですけど、それもおかしいと思うんです。
むしろワンピースを切断して作る場合には、必然的にマンドレルはワンピースまるまる一本分のものが必要になるじゃないですか。
先端2ピース分のマンドレルを作り直したり、バット部分のマンドレルだけを作り直したり、マンドレルが多いほうがマイナーチェンジはしやすいと考えるのが道理でしょう。
全体のバランスを考えたときに結局流用はできないよって話ならそれはそれでわかるんですけど、前述したようにワンピースこそ絶対に流用できませんし、並継だからどうって話じゃありませんよね。
あと並継は高価な竿、逆並継は安価な竿に使われているみたいなイメージありませんか?(これは今現在の話で、30年前40年前の安物竿は普通に並継ぎだったりするのですが)
並継も逆並継も各ピースごとにマンドレルが必要なはずですけど、なぜ逆並継は安価なイメージなんでしょうか。
価格がマンドレルの数に依存するならば、並継と逆並継は同等の価格でないとおかしいと思うんです。
※逆並継ぎはすべてのピースが順テーパーなので、あわせの調整などは楽だと思います。ただ、いずれにしてもマンドレルは必要ですよね。
で、印籠継は本当にワンピースロッドを切断して作ってるの?って話なんですけど、やっぱりどうもそういうわけじゃないみたいなんですよね。
というか、上にも書いた通り、素直に考えるとワンピースロッド毎度作って切断するのって大変じゃない?って感じるような話なんですけど。
以下のブログの話がすべての印籠継にあてはまるとは言い切りませんが、事実としてこの方は各ピースごとにマンドレルを用意した印籠継竿を作っていたわけですし、また書いてある内容を考えれば、短い竿だとしても同様に作るのが道理だろうと思います。
ロッドの設計者からすれば当たり前のことなんでしょうね。
継竿の各節に役割を分担させるメリットについて、一般にその考え方を浸透させたのは村田基さんではないかと思っています。(ワールドシャウラがワンアンドハーフで出たとき?)
とはいえ、村田基さんのあれは方便だったのかなと、今となっては思ってしまいますが。