なんか2日連続でシマノの話になっちゃって申し訳ないんですが、「20メタニウムの登場で他のリール全部存在価値なくなる」とか言ってる人がそれなりの数いるようで、極端だなぁと笑ったり、笑わなかったりしています。
「20メタニウムの登場で他のリール全部存在価値なくなる」の中でも、「20メタ最高!他のリールなんていらなくなるぜ!」というポジティブな評価の人と、「20メタ最高!でも18バンタムや19アンタレス、その他もろもろのリールを買った人(自分)が不幸だ!」というネガティブな評価にわかれているようです。
どちらも極端な意見であることに変わりはありませんが、ポジティブな評価は一応理解できるものの、ネガティブな評価は理解に苦しみます。
そこそこの価格で”最高”のリールが手に入ったら普通にうれしくないですか?
単純に道具を使うユーザーとしてうれしいし、好きなメーカーがユーザー目線に立った開発をしてくれるのもうれしいことだと思うんですけどね。
ポジティブな評価の人については、いろんな意味で狭量なんだろうなーってくらいの気持ちしかありませんので特に言及しませんが、ネガティブな評価については、比較されているそれぞれのリールの立場を考えながら批判したいと思います。
不当な評価をされるシマノやリールがかわいそうですからね。
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18バンタム
19アンタレスを買った人は確かにちょっとお気の毒だなぁと僕自身は思いますが、18バンタムは、20メタニウムとは明らかにキャラクターが違います。
20メタニウムと18バンタムというのは、ダイワでいえばスティーズ SV TWとスティーズ A TWみたいな関係なわけでしょう。
アルミとマグネシウムじゃ明らかにアルミが強いっていうのが今のところの釣り業界の常識なわけです。
(実際はアルミもマグネシウムもどんな合金を使っているかなんて我々にはわかりませんし、それらの強度が実際にどうなのかはさらにわからないわけですが)
バンタムはメタニウムより強い。でもその分重い。
バンタムは強くて重いリールだから、”細い糸で軽いルアーを投げて繊細に誘って小さい魚を釣るような釣り”ではなく、太い糸で重いルアーを投げるような、大きな魚を釣るような、リールに対する負荷が大きい釣りに向いている。
なにかおかしいことがありますか?
よく覚えてませんけど、メタニウムより強くて重いメタニウムMGL HD(XDだっけ?)が欲しいみたいなこと言ってた人がいて、それに賛同していた人もいた気がするんですよ。
まさか同じ口で「せっかく18バンタム買ったのに、20メタニウムなんて出してどうしてくれる!」なんて言ってませんよね?
重いこと、強いことに大きな価値があるんですよね?
だったら18バンタムこそが最高のリールじゃないですか。
まあ、もともとそんな戯言は戯言でしかありませんので、純粋に18バンタムを評価しましょうね。
18バンタムはヘビーデューティー仕様というコンセプトを追求した、間違いなく最高のリールです。
20メタニウムとはキャラクターが違うので、18バンタムは18バンタムとしての意味を持ち続けます。
レベルワインドの位置が悪いんじゃないかとか、クラッチの耐久性が低すぎてボディは丈夫だけどクラッチが壊れるとか、レベルワインドに人差し指が当たるとか、そういうのはリールのコンセプトではなく、メーカーのものづくりに対する誠実さの問題なので、別に議論が必要でしょうけどね。
なぜ別かというと、こういう問題は軽いルアーを投げて小さい魚を釣る釣りでも同じだからです。念のため。
19アンタレス
上でも書いた通り、僕個人としては19アンタレスを買った人はちょっと気の毒だなぁと思います。
カタログスペックに限れば、19アンタレスは20メタニウムの重いやつになってしまったわけですからね。
なにせ、僕はリールが重いとか大きいとかいうことに対してなんの価値も感じませんので。
でも実際のところどうかというと、それは人によると思っていて、カタログに数値として出ない性能や価値もありますよね。
例えば巻き心地や耐久性は本当に同じなんでしょうか。
そして、そのリールが”フラッグシップ”の”アンタレス”であるということに価値を感じる人もいるでしょうし、MGLスプール3をいち早く使うことに価値を感じる人もいるでしょう。
僕は18イグジストを買いましたが、20ルビアスが出ることに対して特にネガティブな感情はありません。
むしろ、こんなに素晴らしいリールをそこそこの価格で提供するダイワの姿勢をうれしく思っています。
18イグジストとあまりにも用途がかぶることから、個人的に後悔がないと言ったらうそになりますけどね。
そして、20ルビアスのコンセプトはもっと突き抜けてほしかった(具体的には小型化)なぁとは思いますが、それらはまた別の話です。
上にも書いた通り僕は決してそうは思いませんが、重いことに価値があるという立場に立てば、19アンタレスはそういう価値を持ったリールなんじゃないですか?
20メタニウムと同等のキャスタビリティで、かつ重いという性能を持ったリールなわけですから、ちゃんと20メタニウムとすみわけできてますよね?
それとも本当は重さに価値なんてなかったんですか?
こんなものはもともと戯言でしかありませんので、こんなものにしておきましょうか。
19アンタレスはシマノのベイトリールのフラッグシップです。
おそらく最高の精度の部品を、最高の精度で組み立てているでしょう。(そしてもちろん、昨年時点では最新のスプールを搭載している唯一のリールでした。)
ツインパワーではなく、ヴァンキッシュではなく、ステラを買う人はたくさんいます。
同様に、メタニウムではなくアンタレスを買う人もいます。
そういうことです。
19SLX MGL
これ一番わかんないやつです。
比較する意味あります?
価格帯が違いすぎる→狙っている客層が違う
スプール径が違う→ターゲットになるルアー重量が違う
価格が安いというのはそれだけで価値です。
安価なリールで、安価なリールでできる範囲でキャスタビリティを向上させるためにスプール径を小さく、そしてそれにあわせてボディを小さくすることで軽くする。
まっとうな製品開発だと思います。
これはダイワでいえばバスXやタトゥーラSV TWも同じですね。
安価であることを存在理由にしない人っていうのは、廉価版だとか、エントリーモデルは不要ってことを言いたいわけですか?
そうやってすそ野をなくしていった先になにか楽しそうな未来が見えますか?
SLXのことはもういい?
カルカッタ コンクエスト
カルカッタ→丸い
メタニウム→丸くない
カルカッタ丸くてかっこいい!
それが価値!
おわりに
ユーザーはあくまでもユーザーなんですよ。
メーカーの公式や、それに近い人間の発信する情報を信じるしかないんです。
それに踊らされるな、踊らされるやつが悪いっつったって、嘘ついて踊らせるのは明らかにダメでしょ。
なんというか、今回の件では、メーカーほどの責任を負ってない訳知り顔の自称”中立”プロだとか、その取り巻きの悪影響ってでかいなと思いました。
やっぱ開発者が直接発信したほうがいいんじゃないですかね。
釣り博行って何が面白いかって、開発者の声を直接聞けることですよ。